アジア遊学240
リクチョウブンカトニホン
六朝文化と日本
謝霊運という視座から
蒋義喬 編著
ISBN | 978-4-585-22706-9 | Cコード | 1390 |
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刊行年月 | 2019年12月 | 判型・製本 | A5判・並製 224 頁 |
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定価:3,080円 (本体 2,800円)
中国・六朝時代に生き、山水文学の祖であるとともに、儒・道・仏に通じた博学多才の詩人として知られる謝霊運。 その詩文は後世の文人たちに大きな影響を与え、学識と矛盾に満ちた数奇な人生とが相俟って、その人物像についても、中国史上他に類を見ない独自のイメージを形成している。 本書は思想的な背景となった六朝期の仏教や道教にも目を向けつつ、日本文学における謝霊運受容の軌跡を追い、六朝文化の日本における受容のあり方を体系的に検討する。 謝霊運を日本文学・中日比較文学研究としてとりあげる初めての試み。
序言 蒋義喬
Ⅰ 研究方法・文献 謝霊運をどう読むか―中国中世文学研究に対する一つの批判的考察 林暁光 謝霊運作品の編年と注釈について 呉冠文(訳・黄昱)
Ⅱ 思想・宗教―背景としての六朝文化 [コラム]謝霊運と南朝仏教 船山徹 洞天思想と謝霊運 土屋昌明 謝霊運「発帰瀬三瀑布望両渓」詩における「同枝條」について 李静(訳・黄昱)
Ⅲ 自然・山水・隠逸―古代日本の受容 日本の律令官人たちは自然を発見したか 高松寿夫 古代日本の吏隠と謝霊運 山田尚子 平安初期君臣唱和詩群における「山水」表現と謝霊運 蒋義喬
Ⅳ 場・美意識との関わり 平安朝詩文における謝霊運の受容 後藤昭雄 平安時代の詩宴に果たした謝霊運の役割 佐藤道生
Ⅴ 説話・注釈 慧遠・謝霊運の位置付け― 源隆国『安養集』の戦略をめぐって 荒木浩 [コラム]日本における謝霊運「述祖徳詩」の受容についての覚え書き 黄昱 『蒙求』「霊運曲笠」をめぐって ―日本中近世の抄物、注釈を通してみる謝霊運故事の展開とその意義 河野貴美子
Ⅵ 禅林における展開 日本中世禅林における謝霊運受容 堀川貴司 山居詩の源を辿る―貫休と絶海中津の謝霊運受容を中心に 高兵兵 五山の中の「登池上楼」詩―「春草」か、「芳草」か 岩山泰三
Ⅶ 近世・近代における展開 俳諧における「謝霊運」 深沢眞二・深沢了子 江戸前期文壇の謝霊運受容―林羅山と石川丈山を中心に 陳可冉 [コラム]謝霊運「東陽渓中贈答」と近世・近代日本の漢詩人 合山林太郎
蒋義喬(しょう・ぎきょう) 北京師範大学外文学院准教授、早稲田大学日本古典籍研究所招聘研究員。専門は平安朝漢詩。 主な論文に「詠物詩から句題詩へ―句題詩詠法の生成をめぐって(『和漢比較文学』35号、2005年)、「詠物と言志―『懐風藻』から勅撰三集に至る」(『日本における「文」と「ブンガク(bungaku)」)』アジア遊学162、勉誠出版、2013年)、「菅原道真的詠物詩與杜甫詩歌的関連」(『日語学習與研究』2018年第2号)などがある。
★執筆者(論考順) 蒋義喬(北京師範大学外文学院・准教授、早稲田大学日本古典籍研究所・招聘研究員) 林暁光(浙江大学人文学院・副教授) 呉冠文(復旦大学古籍所・副研究員) 船山徹(京都大学人文科学研究所・教授) 土屋昌明(専修大学経済学部・教授) 李静(澳門城市大学人文社会科学学院・助理教授) 高松寿夫(早稲田大学文学部・教授) 山田尚子(成城大学文芸学部・准教授) 後藤昭雄(大阪大学・名誉教授) 佐藤道生(慶應義塾大学文学部・教授) 荒木浩(国際日本文化研究センター・教授、総合研究大学院大学・教授) 黄昱(日本女子大学・非常勤講師、青山学院大学・非常勤講師、国文学研究資料館・特定研究員) 河野貴美子(早稲田大学文学学術院・教授) 堀川貴司(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・教授) 高兵兵(西北大学文学院・教授) 岩山泰三(山東大学外国語学院・講師) 深沢眞二(和光大学人文学部・教授) 深沢了子(聖心女子大学日本語日本文学科・教授) 陳可冉(四川外国語大学日本語学部・准教授) 合山林太郎(慶應義塾大学文学部・准教授)
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